製品ロードマップ(2016年8月付)

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この記事は、Marco CantuによるProduct Roadmap August 2016の抄訳です。

2月にエンバカデロ製品の詳細なロードマップを発表した際お約束した通り、半年毎にロードマップを更新し、お客様と今後の展開について共有したいと思います。多くの方からのご要望に応じた結果、通年計画としましては、アップデート数を増やし、メジャーリリースの回数は1回とする方向に進んでいます。

現在進めているエキサイティングなプランは、今後、お客様やパートナーの皆様の要件や意見を反映しながら、引き続き微調整していきます。変更点としましては、RAD Studio 10.1 Berlin Update 2で、Windows 10 Anniversary Editionに必要なサポート、特にCentennialとして知られていたWindows Desktop Bridgeへのサポートを提供するものです。また、このアップデートには、新しいWin 10 Anniversary スタイル及びUXコントロールが含まれます。

Godzillaの開発トラックは順調に進んでいます、それと並行して、Microsoftの開発動向にも歩調をあわせたいと考えています。Windows 10サポートをさらに拡大するために、Update 2には新しいWindows 10 Anniversary Edition のスタイル及びユーザーインターフェイスコントロールが含まれる予定です。

既に述べました通り、このプランは、年1回のメジャーリリースというサイクルに戻って、機能追加と、期間中にリリースされたOSの新バージョンをサポートするアップデートを、年2~3回提供するものです。以上がロードマップの概要ですが、続いて、RAD Studioのプロダクトマネージャを務めるMarco、 David、Sarinaの3名から詳細なコメントがあります。

2016 Product Roadmap

*ここに記載した製品機能は、その提供をお約束するものではありません。この記事内で触れたすべての機能は、技術的な理由や優先度の変更などの理由により、変更される可能性があります。

Marcoからの詳細情報

Marco CantuMarco Cantu - Delphi言語 / パーソナリティ、Delphi RLT、VCL、データベースとWebテクノロジー、RAD Serverを担当

過去数年間にわたり、私たちはDelphiで多大な前進を成し遂げてきました。パートナーやお客様からお話を伺って、SeattleとBerlinに組み込まれている新機能の多くが、あまり知られていないことが分かりましたので、まず、Windows 10に搭載されるWinRT APIへのサポートを拡大することから着手しました。私たちは、Windows 10対応の一環として、VCLへのタイムリーなサポートを提供しました。今後もこの方向性に沿って、Windows 10 Anniversary Editionの新機能へのサポートを提供する予定です。

ロードマップにおける最もエキサイティングな新機能は、まもなくプレビューがスタートするLinuxサポートです。サーバーサイドのコード(Apache拡張、コンソールアプリケーション、WebBrokerプロジェクト、DataSnapサーバー、RAD Serverモジュール、カスタム中間層アーキテクチャ)を使用し、データーアクセスコンポーネントを保持、Linuxオンプレミス・マシンやクラウドインスタンスに配置することが可能となるため、Delphi開発者の皆さんにとって、そしてC++Builder開発者の皆さんにとっても、新たな可能性が切り拓かれることでしょう。

それと同時に、Delphi言語の改善を忘れてはなりません。投入される新機能は、Nullable型へのサポートですが、かなりの項目にわたる言語構文の強化も検討中です。後者はどちらかというとマイナーな変更ですが、コードを書く際、その可読性や表現力の改善につながります。

Delphi、VCL、およびRAD Serverの詳細なロードマップは以下のとおりです。

Berlin Update 2

  • Windows Desktop Bridge(旧Centennial)配置のサポート:従来からのモバイル向け配置サポートと同様の方法で、IDEから直接APPXファイルを構築
  • QuickEditプロパティ:標準コントロールで通常最もよく使用するプロパティへのアクセスを迅速化することで、VCLデザイナー上での日常タスクをスピードアップ
  • 新しいWindows 10 CalendarView VCLコントロール:(完全にVCLコードで記述されているものの)ネイティブWinRTカレンダービューコントロールと完全に合致
  • Windows 10 Anniversary Edition用の新しいVCLスタイル

Godzilla

  • Linux Server 64bit向けDelphiコンパイラとRTLを提供
  • Konopka Controlsを統合して提供
  • Konopka Controlsのデザイナー機能をVCL設計エクスペリエンスの中核に取り込むことで、VCLビジュアル設計のエクスペリエンスを刷新
  • DateおよびTime Pickerや追加のカスタムパネルを含む、新しいWindows 10 VCLコントロール
  • FireDACのLinux サポートとすべてのプラットフォーム向けのドライバアップデート(サポート中の多数のデータベースエンジンが対象)
  • 大容量メモリ対応のスタンドアロンDelphiコンパイラ
  • RAD Server Linux版(Apache統合、Delphi/C++でLinux RAD Server APIモジュール作成が可能)、RAD Server Console UI の強化、マルチテナント機能

Godzilla Updates

  • 品質及び性能を改善
  • 新しいVCLコントロール(評価中)
  • コード移行ツールの改良
  • RAD Server向けに、ログイン向けActiveDirectoryサポート、アカウントのAD同期、クライアント向けKerberos認証

Carnival

  • Apple macOS 64-bit コンパイラとツールチェイン
  • Nullable型へのDelphi言語サポート
  • Delphi言語構文の強化

Carnival Updates

  • 品質及び性能を改善
  • Windows 10サポートの強化

Davidからの詳細情報

David MillingtonDavid Millington - C++ 言語、コンパイラとリンカ、マルチプラットフォームデバッガ、RAD Studio IDEを担当

目下計画中の今後の数バージョンのC++Builderのリリースは、きっと C++開発者の皆さんに満足いただけるものと信じています。私たちは最近、プラットフォームサポートに注力していますが、その一例がGodzillaでデビューするLinux Serverサポートです。ネイティブコードでクロスプラットフォームをサポートし、同一のUIと他のフレームワークを用いながら、すべてのレベルでネイティブコンパイルが可能であるため、実際的なユーザーニーズを強力に支援するものです。いずれの競合他社も、このレベルには到達していないと言っていいでしょう。しかし、この点に注力するためのコストは、C++言語サポートの遅延につながるため、強力なプラットフォーム基盤から、この点の改善にシフトしていきます。

現在、Clang 3.9をベースとしたClangベースのコンパイラのアップグレードを計画しています。まず、Windows コンパイラに着手し、その後すぐに他のプラットフォームも追加していきます。さらに、Clangの最新動向に足並みをそろえ、各リリースは、Clangの最新の安定版に極めて近いコンパイラをベースとするようにします。つまり、私たち、そして皆さまにとっても、「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざとは逆に、一度にふたつの良いことがあるのです。そのふたつの良いこととは、他のIDEよりも優れたクロスプラットフォームサポートとクロスプラットフォームフレームワークを手にするだけでなく、C++言語サポートも同時に手にできるということなのです。

私たちは、IDEにありがちな閉鎖的で孤立した体制を少し開放しようと、コンパイラについてはCMakeサポートやある程度のIDE統合の検討を始めています。今、何をサポートするかを評価中ですが、CMakeに限るものではないと思いますので、ぜひ皆さんのご意見をお聞かせください。ツールの他、多くのC++コモンライブラリも検討中です。これについても、ぜひご意見をお寄せください。 最後に、デバッガーに関する素晴らしい計画があり、より多くのプラットフォーム上でLLDBを使用し、拡張機能やIDEとの統合を改善する作業を進めています。少なくとも、ClangとLLVMを使用する環境では、LLVMを使うことで統一を図りたいと考えています。

小さいことですが重要な事項として、BerlinのUpdate 2では、C++用のリネーム・リファクタリングを提供する予定で、非常に有用なものになるはずです。また、コード補完といったIDE機能や、リンカの改善を積極的に進めています。いずれの機能も改善課題として認識し、注力していきます。このように、永年ご愛顧いただいているユーザーの皆さんに満足いただける、すばらしい成果をまもなくお届けできると思っています。来年度は優れた機能も提供します。

Berlin Update 2

  • リネーム・リファクタリング
  • Win64 C++ デバッガーのプロパティサポート

Godzilla

  • Linux Server 64サポートを提供

Godzilla Updates

  • CMakeのサポート: CMake にbcc32c and bcc64のビルトインサポートを提供(CMakeそのものでサポート、あるいはパッチを提供)。いくつかのIDEサポートを提供、但し、範囲は未定
  • Clang 3.9へのアップグレード
    • 当初はWin64及びWin32を予定
    • C++17のフルサポート
    • 今後数回のリリースにおいて他のプラットフォームもサポート
    • Clangの最新動向をキャッチアップ:Clang 3.3の時のように遅延しない。最終目標は、Clangの最新版に追随してすべてのプラットフォームで展開すること

Carnival

  • iOS64, OSX64用の主要なデバッガー改善 – 基本的なBCCの拡張とDelphiサポートにより、両プラットフォームでLLDBを使用
  • Clang 3.9 / 3.x プラットフォーム展開

Ongoing, and Carnival Future

  • LLDB サポート強化 – フル拡張、Delphi サポート。対象プラットフォームの拡大(iOS64、OSX64、Win64、 Win32など)
  • リンカの改善(継続)

Sarinaからの詳細情報

Sarina DuPontSarina DuPont - FireMonkey、コンポーネントライブラリUXとスタイル、インストレーション・エクスペリエンス、デモとドキュメンテーションを担当

ここ数年間、私たちはFireMonkeyフレームワークにたくさんの素晴らしい機能を追加してきました。たとえば、FireUIマルチデバイスデザイナ、ビヘイビアサービス、FireUIライブプレビュー、ネイティブコントロールをはじめ、数多くの新機能や機能強化により、複数のフォームファクターやターゲットプラットフォーム向けの迅速なアプリケーション開発を可能にしました。FireMonkeyのロードマップにおける主要なテーマのひとつは、ネイティブコントロールサポートの拡張です。現在、iOS 、Windows両方でのZオーダーサポートと、両プラットフォーム上での各種UIコントロールのネイティブプレゼンテーションサポートを提供しています。

以下に示したFireMonkeyのロードマップでお分かりいただけるように、このZオーダーサポートをAndroid及びMac OSにも拡大する計画です。ロードマップの一環として、UI コントロールへのAndroidおよびMac OS向けネイティブプレゼンテーションサポートの追加も計画中です。Update 1で導入されるiOS上での新しいTGridネイティブレンダリングサポートも気に入っていただけるものと思います。画面サイズの制限という観点から、タブレットアプリケーションのグリッドレイアウトは人気があります。また、表レイアウトが好まれ、列の順序変更、サイズ変更、テキスト入力を必要とするエンタープライズアプリケーション向けに柔軟性の高いUIを提供します。これについては、最近書いたブログで簡単に紹介しています。

Berlin Update 1

  • iOS上でのTGridのネイティブプレゼンテーションサポート
  • FireMonkeyのバグ修正

Berlin Update 2

  • Windows 10 Anniversary Edition向けの新しいFireMonkeyスタイル
  • FireMonkeyのバグ修正
  • サポート中のOSの最新バージョンへの配置サポート

Godzilla

  • Android向けFireMonkeyネイティブレンダリングのサポート(フェーズ1:Zオーダーの管理)
  • FireMonkeyのリファクタリング作業
  • サポート中のOSの最新バージョンへの配置サポート
  • Radiant Shapesコンポーネントライブラリ
  • FireMonkeyの各種強化

Godzilla Updates

  • Android向けFireMonkeyネイティブレンダリングのサポート(フェーズ2および3:TEdit、TMemoを含む、各種UIコントロールのネイティブプレゼンテーション)
  • FireMonkeyスタイルの追加
  • 追加の広告サービスをサポートする広告コンポーネントのアップデート
  • FireMonkeyのバグ修正

Carnival

  • Android上の追加のUIコントロールのネイティブプレゼンテーション
  • Mac OS向けFireMonkeyネイティブレンダリングサポート(フェーズ1:Zオーダーの管理)
  • Mac OS向けFireMonkeyネイティブレンダリングサポート(フェーズ2:TEdit、TMemoを含む、各種UIコントロールのネイティブプレゼンテーション)
  • プラットフォーム固有のコントロールを含むFireMonkeyコントロールの追加
  • サポート中のOSの最新バージョンへの配置サポート
  • デスクトップでのFireMonkeyマップサポート

Carnival Updates

  • Mac OS 上の追加UIコントロール(TListView、TGrid等)のネイティブプレゼンテーションサポート
  • iOS、Android、Windows向け追加UIコントロールのネイティブプレゼンテーションサポート
  • FireMonkeyのバグ修正とその他の強化

私たちは、現在のRAD Studio ロードマップ、そしてその先にある展開にわくわくしています。計画が期待のすべてを網羅しているわけではないことは承知していますが、この文書でハイライトされている主要な成果と一緒に他にも多くの機能を提供できると確信しています。中には上記のスケジュールよりも早く提供できる機能もあるかもしれません。

ご質問、ご意見は、担当のプロダクトマネージャまで、Eメールでお寄せください。また、アイデアや機能に関するご要望は、quality.embarcadero.com までお願いします。

これらの計画とロードマップは、現時点でのエンバカデロの方向性を示したもので、開発計画とその優先度は、変更される可能性があります。従って、ここに記載した製品機能や提供スケジュールのいずれについても、その提供をお約束するものではありません。また、製品スケジュールや製品ロードマップは、いずれの契約を中止ないしは置き換えるものではなく、お客様が利用されている製品のアップグレード、アップデート、機能改善、他のメンテナンスリリースについては、ソフトウェアライセンス契約に基づいて提供されます。



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