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RAD Serverでのスケールとコスト削減 [JAPAN]

Posted by Kazuhiro INOUE on Thursday, 29 June 2017 in Blogs

※この文書は https://community.embarcadero.com/blogs/entry/scale-and-save-with-rad-server の抄訳です。

弊社では、RAD Serverのライセンス選定や価格についてお客様より質問を受けることが増えています。RAD Server を利用することは、多くのメリットをもたらします。RAD Server を利用すれば、サービスベースのアプリケーション開発とデプロイを迅速に行うことが可能になります。これは開発コストの大幅な削減をもたらします。RAD Serverのライセンスおよび年間保守費用はクライアントの台数またはサイトライセンスにのみ依存します。サーバーの稼働状況には依存しません。

10.2で追加されたマルチテナントサポートなどの機能により、RAD Serverを利用するお客様の運用コストは劇的に削減されます。

もし Delphi や C++ で開発する場合は、RAD Server は最も効率的なバックエンドの選択肢です。ISVやOEMベンダーによる再展開可能なソリューションに向いています。

この記事では、デプロイの代表的な例をイラストを添えて整理しました。これは単一サイトライセンスと複数サイトライセンスのどちらを選べばよいかを決めるときの参考になるはずです。また、この記事はRAD Serverに関する誤解、特に「サイト」の概念を明確にするのにも役立ちます。

シナリオ 1A) ISVが複数の企業向けにソリューションを提供する際に、RAD Server の標準機能であるマルチテナントサポートを利用する

ISVがサービスやソリューションを提供する場合に、１台のRAD Serverで複数の顧客企業を収容する場合は「単一サイトライセンス」のみを必要とします。このことは、ISVが１台のRAD Serverで本番運用することを意味します。この場合はISVはRAD Serverのマルチテナントを利用することで、単一のRAD Server上で複数の顧客企業向けのサービスを独立のテナントとして稼働させることができます。

必要ライセンス：単一ライセンス

シナリオ 1B) ISVが複数の企業向けにサービスやソリューションを提供する際に、独立したRAD Serverを使用する

ISVが複数の顧客企業向けにサービスを提供する場合にそれぞれ独立したRAD Serverで運用したい場合は「サーバー台数分の単一サイトライセンス」または「１つのマルチサイトライセンス」が必要となります。このケースではISVはRAD Serverが持つマルチテナント機能は使用しません。

必要ライセンス：「サーバー台数分の単一サイトライセンス」または「１つのマルチサイトライセンス」

シナリオ２A) 単一企業が単一のRAD Serverを利用したソリューションを異なる拠点の複数のオフィスから利用する

複数のオフィスや異なる拠点を持つ単一企業が１台のRAD Serverでシステムを構築する場合は「単一サイトライセンス」で利用できます。この場合はシングルテナントで運用し、標準機能として提供しているユーザやグループの管理機能を用いて権限を設定できます。あるいは、もし必要ならばマルチテナントで利用することも可能です。

いずれの場合でも、RAD Serverは本番運用向けに１台だけで展開することができます。
必要ライセンス：単一サイトライセンス

シナリオ２B) 単一企業が異なる拠点や複数のオフィスで個別のRAD Server向けソリューションを運用する

複数の拠点やオフィス単位でRAD Serverのソリューションを運用したい場合は、RAD Server台数分の単一サイトライセンス、または１つのマルチサイトライセンスのいずれかを選ぶことができます。

この方法は、RAD Server 標準のマルチテナント機能ではなく、拠点ごとに個別に配備したRAD Serverを用いることが必要な場合に向いたソリューションです。

必要ライセンス：「サーバー台数分の単一サイトライセンス」または「１つのマルチサイトライセンス」

シナリオ３) 単一企業が１つの拠点でRAD Serverを運用する

単一企業が単一拠点でRAD Serverの利用を検討する場合、これは、従業員や顧客データを管理するなどの目的でRAD Serverの活用を考えているようなケースであり、それはスタートアップ企業や大企業かもしれません。

必要ライセンス：単一サイトライセンス

RAD Server で得られる、その他の利点

要するに、ほとんどのシナリオでは単一サーバライセンスで始めることができます。ユーザーとテナントをどのように追加してもコストは同じです。さらに、RAD Server にはいくつかの機能が含まれます。

BeaconFence

ユーザーの動きを屋内、屋外の両方でトラッキングし、予め設定したゾーンへの入退出やビーコンへの近接度に応じたイベントを返すことができます。BeaconFenceはRAD Serverのライセンスで運用できます。BeaconFenceの機能は GetItパッケージマネージャーで追加インストールできます。また、BeaconFence を使ったアプリを広く展開する場合には、マップの編集に “Woll2Woll mobile map editor” を用いるという選択肢もあります。

IoTサポート

IoT Edgeware はRESTエンドポイントの機能を拡張し、離れた地点のガジェットやデバイスに対するエンタープライズ向けのアクセスポイントを提供します。IoT Edgeware を利用すると、エッジで収集されたIoTの膨大なデータについて、保存、フィルタリング、集計しつつ、重要なデータを確実にメインのリポジトリに同期させることができます。開発者は、50以上の一般的なIoTデバイス向けについて予め用意されているコンポーネントを用いてアクセスすることもできます。

カスタマイズ可能なRAD Serverの管理コンソール

RAD ServerのAnalytics Web PortalのUIは企業ブランドに合わせてカスタマイズできます。管理コンソールのUIのソースコード (HTML/CSS/JavaScript)はカスタマイズ向けに提供されています。
このスクリーンショットは実際に管理コンソールのUIにロゴ画像を用いたり、CSSをカスタマイズしている例を紹介しています。

その他のリソース

RAD Server Getting Started Help(ブログの過去記事：英語)
この記事では RAD Server の概要、DataSnap との比較、RAD Server に関する様々なリソースへのリンクを掲載しています。
サンプルプロジェクト
RAD Server の開発を始める際に役立つテンプレートのサンプルプロジェクトの提供に取り組んでいます。GetItパッケージマネージャ経由で新しい有益なリソースの提供を進めていきます。（現時点では Nurse Station のサンプルプロジェクトを GetIt 経由で提供しています。）
ケーススタディ
Foresiight の事例は、既存の大規模な Delphi のクライアント・サーバーアプリケーションをクラウド上のWebサービスとしてRAD Serverで拡張し、さらにモバイル向けの展開を進めています。