製品マネージャからの2017年5月付け製品ロードマップに関するコメント

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この記事は、Sarina DuPont によるMay 2017 Roadmap Commentary from Product Managementの抄訳です。

DelphiのLinuxサポートを搭載した10.2 Tokyoをリリースしてから、毎年実施している開発者向けのサーベイを行いました。このサーベイは、2週間にわたって行われ、4月末に終了しました。サーベイ参加者は予想を上回り(過去よりも50%増加しました)、製品管理チームに対して、数多くの貴重なフィードバックがもたらされました。皆さんのお時間をこのサーベイに割いていただき、感謝致します。このサーベイは、私たちのロードマップを最終化するのに、大変役立ちました。

今回、「2017年5月付Delphi / C++Builder / RAD Studioロードマップ」を発表しました。このロードマップでは、2017年~2018年に計画している主要な機能を挙げています。この計画は、エンバカデロの会計年度(2017年4月~2018年3月)に割り当てられています。ロードマップは、一般的に6ヶ月ごとに更新する計画です。

今回、更新されたロードマップで提示したいくつかの主要なフォーカス領域について、その詳細を共有したいと思います。

Sarinaからの詳細情報

Sarina DuPontSarina DuPont - FireMonkey、コンポーネントライブラリUXとスタイル、RAD Server、インストレーション・エクスペリエンス、デモとドキュメンテーションを担当

FireMonkeyネイティブコントロールのAndroid向けサポート

現在、iOSとWindows向けの主要なテキスト入力およびリストコントロールについて、ネイティブコントロールレンダリングをサポートしているのに加えて、4つのすべてのサポートプラットフォーム向けのUIコントロールについて、ピクセルパーフェクトのビットマップベースのコントロールレンダリングをサポートしています。ロードマップでは、このネイティブユーザーインターフェイスコントロールのサポートをAndroidに拡張する計画です。これには、段階的な実施を考えており、Zオーダーのサポートから開始して、Androidのネイティブコントロールを始め、iOSとWindowsで現在実現しているネイティブプレゼンテーションサポートと同様、主要なテキスト入力およびリストコントロールに対して対応を進めていきます。これにより、高い柔軟性がもたらされ、開発者は、StyledとPlatformのいずれかをコントロールごとに選択し、マルチデバイスアプリケーションで、FireMonkeyのカスタムスタイルを活用しつつも、両方のコントロールタイプを混在させることができるのです。

さらに、FireMonkeyアプリケーションの設計プロセスを支援するために、追加のテンプレートと設計要素を導入する計画です。この分野のコンポーネントベンダーと協力して、よりリッチなスタイルと機能のポートフォリオを作成し、FireMonkeyを、迅速なアプリケーション開発を行うための完全な選択肢へと高めていきます。

RAD Serverの強化

まだRAD Serverについてご存じない方は、ぜひご覧いただきたい項目です。RAD Serverは、サービスベースのアプリケーション(セルフホスト型のPaaS)を迅速に構築、展開するためのターンキーアプリケーション基盤です。RAD Serverを用いれば、開発者は迅速に新しいアプリケーションバックエンドを構築したり、Delphi / C++で構築された既存のクライアント/サーバー型のビジネスロジックを、オープンかつステートレス、セキュアでスケーラブルな最新のサービスベースのアーキテクチャに移行できます。10.2 Tokyoリリースでは、マルチテナントサポートを追加するとともに、WindowsとLinux双方のサーバーに配置できるように拡張しました。このことは、多くのISVにとって画期的な変化で、エンドユーザーの需要に合わせて、より柔軟かつ効率的に運用環境を選択できるようになるのです。

RAD Serverに関しては、RAD ServerとActiveDirectoryでアカウントの同期を可能にするActiveDirectoryサポート、Kerberos認証、AngularJSクライアントのサポートを計画しています。このほかに、主要な産業分野向けにRAD Serverのプロジェクトテンプレートを提供する取り組みも進めています。インダストリ テンプレートは、独自のRAD Serverソリューションを構築する際の、スタートポイントとして役立つように設計されています。今後の展開にご注目ください。

Marcoからの詳細情報

Marco CantuMarco Cantu - Delphi言語、RTL、VCLライブラリおよび、Windowsインテグレーション、データベースとWebテクノロジーを担当

Delphi言語: 新機能とmacOSへのフォーカス

今後12ヶ月以内に、Delphi言語の新機能のリリースを計画しています。今回、特に、nullable型を型システムに追加することに重点を置いていますが、レコードの初期化と破棄に関する改善も重要です。また、言語に大きな機能強化を加えることなく、開発者がより少ない洗練されたコードを書くことを可能にする、より小さな改良である「シンタックスシュガー」の改善についても評価を進めています。

このほかの分野としては、macOSコンパイラの強化で、そのゴールは、ネイティブ64-bitサポートに移行することです(最近リリースされたLinux 64-bitコンパイラとその技術を共有する可能性が高いと考えます)。

コードの最適化もお客様に大変好評な改善点であるため、これもDelphiコンパイラのもうひとつの重点課題となります。

VCLとWindows

VCLライブラリの強化も継続しており、最新のWindows 10のエコシステムで活躍しています。スタイル、新しいWinRT風コントロール、Windowsデスクトップブリッジのサポートを含むプラットフォーム統合などが役立っています。これから1年間で、 より多くのネイティブWinRT APIを公開し、WinRT風VCLコントロールの追加、最新のハードウェア(HighDPIスクリーンなど)のVCLサポートの強化を行い、APIとユーザーエクスペリエンスの両面でプラットフォームの進化に対応していきます。

データベースおよびWeb関連

データベース関連では、FireDACドライバをさまざまなRDBMSの最新バージョンに対応させるための作業について、公式のロードマップで言及していません。これは、コア技術の強化や改善は、通常で期待される作業の一部であるためです。一方、最新のHTMLとRESTクライアントライブラリのメンテナンスアップデートと、DataSnapに関する重要な修正を予定しています。新規開発のほとんどがRAD Server(EMS)へと向かう可能性があるものの、10.2 TokyoリリースでLinuxにも移植されたこのコアインフラを忘れてはいません。

さらに素晴らしい計画として、新しいエンタープライズ アプリケーション コネクティビティの導入を考えています。これは、既存のFireDACテクノロジーで実現しているように、SalesforceやNetsuiteのような多くのアプリケーションに、RAD Studioから容易に接続可能にするものです。これにより、ユーザーはより高速で広範なアプリケーション開発について、スピードアップが図れるようになります。

そして、迅速かつ堅牢なWeb開発オプションの強化についても作業を進めていますので、今後にご期待ください。

Davidからの詳細情報

David MillingtonDavid Millington - C++ 言語、デバッガ、IDE、ユーザーエクスペリエンスを担当

C++Builder

C++Builderは、極めてユニークかつ強力なツールで、特にVCLとFireMonkeyフレームワークは、競合他社のオプションよりも多くの領域で優れています。そして、その言語拡張は、Visual Studioなどの他の強力な競合製品と比較しても、大きな差別化要素となっています。

今年最初に提供を予定している主要な新機能は、C++によるLinuxサーバーサポートです。これは、新規または既存のサーバーアプリケーションやコンソールアプリケーションを、シームレスにLinuxプラットフォームに配置可能にするものです。

C++Builderに関するその他の主要なフォーカス領域には、以下が含まれます:

  • C++17のサポート: 拡張したClangのバージョンにアップグレードすることによってこれに対応し、今後もClangの進化に追従していく計画です。
  • 大規模なC++エコシステムの活用を容易に: CMakeについて、コンパイラでのサポートとIDEでの一定レベルのサポートの双方を計画しています。また、多くの一般的なC++ライブラリをプロジェクトに簡単に取り込んで、C++Builderで使用できるようにします。
  • IDEの改善: コード補完、リファクタリングなどの改善を行います。

10.2では、コンパイラ品質に関して素晴らしい改善があり、今後も継続して行われます。これには、DelphiとC++の互換性に関する領域も含まれています。これは、C++開発者が期待するように、インタラクションレイヤーが確実に動作するようにさせるものです。

macOSの64-bitサポートが、C++ではなくDelphi側にリストされていることに注目しているかもしれません。でも、心配しないでください。これは、C++向けにmacOSの64-bitサポートを計画していないということではありません。C++に関しては、既存の実装によるものか、新しくアップグレードしたC++ツールチェインによって実装するかどうか検討しており、Delphi側のサポートを受けて、C++向けサポートの提供を行う予定です。

デバッガ

10.2では、特にWin64、iOS、Android上での問題に対応する、いくつかの主要な品質改善が提供され、これは今後も継続していきます。Linux Server向けについても、同様に品質改善を行っていく計画です。

RAD Studioには、さまざまなプラットフォーム向けにいくつかの異なるデバッガバックエンドがありますが、現在進行中のプロセスでは、単一のLLDBに統合する方向で作業が進んでいます。これにより、多くのメリットが得られます。特に、単一のデバッガコードベースになることで、デバッガの機能追加やバグフィックスが、これまでよりも迅速に複数のプラットフォーム向けに提供できるようになります。

IDE

IDEは、RAD Studioで最も重要な部分のひとつです。それは、他のすべての部分がここに表示され、相互に作用する場所だからです。個人的にも、ここで重要な品質改善や機能改善が行われることを積極的に推進しています。来年には素晴らしい成果が得られることを楽しみにしていてください。

1つの例は、多くのユーザーからのリクエストのあった、ダークテーマの追加です。Photoshopや他のIDEを含む多くのツールでは、夜間に使用するために「暗い」色調のテーマを用意しています。これは、IDEで簡単にオン/オフを切り替えられるようになります。

検討を進めているこのほかの領域は、一貫したスタイル、明快さ、認識のしやすさを意図したコンポーネントアイコンです。また、IDE全体の整理と適切なレイアウト。全体的なUXは、使いやすさとデータの見やすさの両方に関係します。品質、コード補完、および関連する項目、その他の新機能も検討されています。

これらの計画とロードマップは、現時点でのエンバカデロの方向性を示したもので、開発計画とその優先度は、変更される可能性があります。従って、ここに記載した製品機能や提供スケジュールのいずれについても、その提供をお約束するものではありません。また、製品スケジュールや製品ロードマップは、いずれの契約を中止ないしは置き換えるものではなく、お客様が利用されている製品のアップグレード、アップデート、機能改善、他のメンテナンスリリースについては、ソフトウェアライセンス契約に基づいて提供されます。


 


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