RAD Studio 10.1 Berlin の対応OS、過去のRAD Studioとの比較、ユーザーシェアの遷移などについて考える [JAPAN]

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RAD Studio 10.1 Berlin Update 1 では macOS Sierra, iOS10, Windows 10 Anniversary Update に対応しました。さて、これまでのRAD Studioと比べると対応OSはどのように変わっているでしょうか。また、それぞれのOSのサポートはどのようになっているでしょうか。

 

RAD Studioの対応OSについてはエンバカデロの docwiki の以下ページから確認できます。

サポート対象のプラットフォームおよびオペレーティング システム
http://docwiki.embarcadero.com/PlatformStatus/ja/Main_Page

しかしこの内容では、各ターゲットOSとRAD Studioのバージョンの関係が微妙に読みづらいです。また、それぞれのターゲットOSのサポート状況も比較したいところです。

 

そこでこのページの内容をもとに、RAD Studioのバージョンごとの対応OSが一目でわかるような表を作ってみました。また、RAD Studioのサポートサイクル情報も書き加えてみます。

 

それでは細かいことは置いておいて、一覧表をご覧いただきましょう。この一覧表はブログ記事に先行して tweet していましたので、それを引用いたします。

 

 

まず、○の表記はOSのサポートが何らかの形で受けられるであろうOSを示しています。
△の表記はOSのサポートが実質的に終了していると考えられるものを示しています。

(なお、この表では Windows Vista のOSサポートに関する記載が間違っています。Vista の EOL は 2017/04 のため、現時点ではサポートは有効です)

 

これを見ると、RAD Studio のXE8より前のバージョンでは最近のOSバージョン向けのアプリケーションビルドが十分には行えないことがお分かりいただけるかと思います。

それでは、新しいOSへのユーザの移行はどのように推移するでしょうか。


iOSとMac OSX については毎年新しいメジャーバージョンがリリースされますが、リリースから2か月程度で半数以上のユーザは新バージョンに移行する傾向が見られるようです。

 

まずはiOSですが、こちらは mixpanel.com のデータが見やすいのでこちらのリンクを2つ紹介します。

iOS8→iOS9への移行状況
https://mixpanel.com/trends/#report/ios_9

iOS9→iOS10への移行状況
https://mixpanel.com/trends/#report/ios_10/from_date:-58,report_unit:day,to_date:0

 

これを見ると、直近2回のメジャーバージョンアップに伴う移行は概ね1か月程度でシェア率が入れ替わるようです。


次に Mac OSX ですが、こちらは www.netmarketshare.com のOSシェア率のトレンドグラフを紹介します。こちらは Monthly の集計が最小単位のようですから、10.10 Yosemite と 10.11 El Capitan のシェア率を参照してみます。

Mac OS X 10.10 Market Share on Desktop
http://www.netmarketshare.com/report.aspx?qprid=11&qpaf=&qpcustom=Mac+OS+X+10.10&qpcustomb=0&qpsp=199&qpnp=13&qptimeframe=M

Mac OS X 10.11 Market Share on Desktop
http://www.netmarketshare.com/report.aspx?qprid=11&qpaf=&qpcustom=Mac+OS+X+10.11&qpcustomb=0&qpsp=199&qpnp=13&qptimeframe=M

これを見ると、10.10 Yosemite のシェア率は 10.11 El Capitan のリリースから2か月後には半分まで減っていることが分かります。そして減った分と同等の割合で 10.11 El Capitan のシェア率が増えています。また、リリースから2か月以降は Yosemite のシェアに大きな変動がないこともわかります。


では、Android についてはどうでしょうか。Android は iOS や Mac OSX と違い、OS のメジャーバージョンの公開によって旧バージョンの利用者が大きく減ることは無いようです。メジャーバージョンを発売済みの端末に適用するかどうかはハードウェアベンダーの方針次第なので、Google Nexus を除けば最新のOSに直ちに追従できないことがシェア率の推移の違いを生んでいます。

Android 4.4 Market Share on Mobile/Tablet
http://www.netmarketshare.com/report.aspx?qprid=11&qpaf=&qpcustom=Android+4.4&qpcustomb=1&qpsp=189&qpnp=23&qptimeframe=M

Android 5.1 Market Share on Mobile/Tablet
http://www.netmarketshare.com/report.aspx?qprid=11&qpaf=&qpcustom=Android+5.1&qpcustomb=1&qpsp=189&qpnp=23&qptimeframe=M

Android 6.0 Market Share on Mobile/Tablet
http://www.netmarketshare.com/report.aspx?qprid=11&qpaf=&qpcustom=Android+6.0&qpcustomb=1&qpsp=189&qpnp=23&qptimeframe=M


さて、Windowsはどうかというと、これまでは一つのバージョンまたはサービスパックが複数年に渡ってサポートされていました。直近のOSで最も長くサポートされたのはWindowsXPでは12年に渡ってサポートが提供されました。

しかしWindows10からは年に2回の頻度で新機能の追加が行われるように方針が変わりました。2015年7月のバージョン1507に始まって2015年11月には1511(Th2)、2016年は8月には1607(Anniversary Update)とすでに3つのバージョンがリリースされました。なお、Insider Previewでは次のアップデートである Redstone2 の配信も Fast リング向けに開始しています。

この3つのリリースのサポートライフサイクルについては、CB (Current Branch), CBB (Current Branch for Business), LTSB (Long Term Servicing for Business) という3つのサービシングモデルと Home, Pro, Enterprise のエディションの違いを正しく理解しておくことが大切です。

CB では最新のリリースが必ず適用されます。Home は CB だけが提供されます。従って一般コンシューマーの多くは Windows10 の最新のリリースビルドを利用していると考える必要があります。

CBB では CB が4か月遅れで提供開始されます。そして使用中のCBBよりも新しいCBBが2バージョンリリースされるまでは古いCBBを利用できます。CBのリリースから4か月以上後にCBBを利用開始し、CBよりも長く利用できるため、安定性の高いリリースが利用できます。CBB は Home では利用できず、Pro や Enterprise だけがこれを選択できます。

LTSB は専用のインストーラ、プロダクトキーが必要なサービシングモデルなので、通常のユーザがこれを入手するケースは少ないはずです(ただし開発者は MSDN で配信されているものを入手可能です)。安定性が何よりも重視される用途向け(ミッションクリティカルな分野など)や最新の機能が不要な用途(キオスク端末や組み込み向け)の利用が想定されています。このモデルは従来のWindows OSに近い形態で、なおかつ新機能の追加なしにセキュリティアップデートとバグフィクスが受けられるので、安心度が高いと言えます。

このように Windows10 については複数のサービシングモデルが存在することを認識しつつ、開発者の方々は、どのサービシングモデルを対象にソフトウェアをリリースするかを考えることが必要かもしれません。

 

エンバカデロ・テクノロジーズのRAD Studio/Delphi/C++Builderはアップデートサブスクリプションのご契約を続けて頂いている間は開発環境のアップデートを常にご利用頂くことができますので、旧バージョンをご利用の方で最新のOS向けのアプリ対応をご検討中の開発者の方は、ぜひとも新バージョンへの切り替えをご検討ください。 


なお、今回作成した表は以下の内容をもとに作成しています。

 

エンバカデロ製品の対応OS、サポートライフサイクルは下記ページの情報から抽出しました。

 

各OSのサポートライフサイクルについては下記の情報を使用しています。

  • Windowsはマイクロソフトが公開するサポートライフサイクルに基づいて区分けを行っています。また Windows10は8月にリリースされた Anniversary Update を明示的に区別しました。
    https://support.microsoft.com/ja-jp/gp/lifeselect?target=lifecycle&c1=509&=GSSProdSelMore509
  • MacOS X はサポート期間が公式にアナウンスされていませんが、実質的に直近2バージョンを対象にセキュリティフィックスが提供されていることを参考に区分けしました。
  • iOS はメジャーバージョンがリリースされると旧バージョンのアップデートが原則停止しますので、ここでは最新のiOS10だけを ○ としています。
  • AndroidはGoogle I/O 2011にて最低18か月のアップデートを保証する旨の発表があり、基本的にはこれに沿う形でのサポートが提供されていますので、それを考慮して区分けしています。 


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Gold User, No rank,
Sales Consultant at Embarcadero Technologies, in Japan.

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